私の大切な王子様♪

さて、邪魔な私は消えますか。


今日は疲れたから家に帰ろう。







「ただいまぁ」


返事なんて返ってこない。


返ってくるはずがない。


もう慣れた。こんなことでいちいち気にしてたら毎日を過ごしていけないしね。




昔、私は捨てられた。


『貴方なんて生まれてこなきゃよかったのよ』


『貴方なんて望んだ子じゃない』


『貴方のせいで私の人生めちゃくちゃじゃない』


『私の目の前から消えてくれない?目障りなのよ』


毎日毎日殴られ、抵抗するとさらに殴られ


でも、殴り終えるといつものお母さんに戻る。


「ごめんね。痛かったでしょう?」って。


そんなお母さんが好きだった。


だから私はお母さんの気がすむまで殴らせた。


でも、私が成長するにつれてその行為が酷くなっていった。


私も耐えられなくなっていた。


そうして私は家から出ていった。


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