本当はね…。

「はぁ⁉知らなかった⁉」
それからすぐに私の大声が再び生徒会室に響いた。
「私がこんな事態になっていることを貴方が知らないってどういうことなんですか?」
驚きのあまり怒ることをわすれていた。
「だから、俺はお前だってことを聞かされてねぇんだよ。」
意味がわからない…。
だったらこれは…。
「ミサキにハメられた。」
どうやら、この男が知らなかったことは本当らしい。
そして、何を隠そうこの男こそがこの学園の生徒会長。名前は佐々舞尋。


DATA: 七瀬 千咲 (ななせ ちさき)
1-Aに所属する16歳。勝気で男勝りな性格。兄が2人で幼馴染も男だらけの環境で育った。責任感が強い。

DATA: 稀崎 雛子 (きざき ひなこ)
1-Aに所属する15歳。見た目は可愛らしいが、かなりの毒舌家。情報屋で、人付き合いが上手い。千咲が唯一心を許す女友達。




ーガチャー
微妙な空気の中、急に生徒会室の扉が開いた。私の視線はすぐにそちらへ向けられる。
「おっ、なんだ、もうバレちゃったね。」
先頭にいた男子生徒は私を見つけてすぐに微笑み、そう言った。
「この子が千咲ちゃんかぁ。」
その後ろからヒョコっと出てきた小柄な男子生徒。
「バレちゃったって…お前ら舞尋に伝えてなかったのか?」
そして最後に出てきて扉を閉めたもう1人の男子生徒。
………。
「バレちゃったじゃねぇだろーがっ。」
どうしていいかわからなかった私の代わりに佐々舞尋が口を開いた。


DATA: 蒼宮 馨 (あおみや かおる)
生徒会書記の17歳。2-C所属。長身。
爽やかな笑顔と気さくなキャラで女子生徒はイチコロ。
本人無自覚な紳士的男子。バスケ部のエース。

DATA: 白坂 雪 (しらさか ゆき)
生徒会会計の17歳。2-C所属。小柄。
弟のようなキャラが女子生徒のハートをわしづかみ。だが、本人は意外と計算高い腹黒男子。
サッカー部のエース。

DATA: 茅華 岬 (ちばな みさき)
生徒会副会長の17歳。2-A所属。眼鏡。
冷静沈着で、学園一の優等生と評判だが、実際はかなりの腹黒。彼の微笑みにどの女子生徒も瞬殺。舞尋とは小さい頃からの付き合い。
剣道部主将。

DATA: 佐々 舞尋 (ささ まひろ)
生徒会会長の17歳。2-A所属。気分屋。
明るく楽しいお調子者。本気になると結構デキる。生徒会選挙では全校生徒が彼に投票したという。
弓道部主将だが、他の部からの助っ人の依頼が絶えないらしい。



「やぁ、だって七瀬がこんな早く動くと思ってなかったから。」
ミサキ先輩が笑いながらごまかす。
気づけば、生徒会役員全員が生徒会室に揃ってしまったのだ…。
< 4 / 49 >

この作品をシェア

pagetop