本当はね…。

爽やかな風が吹き通す中庭。
生徒会室を後にしてから、教室に戻る気分にもなれず中庭のベンチに腰をおろした。今は…何も考えたくない…。そんな気分だった。
「あれは…八つ当たりだよなぁ…。」
考えたくないのに、脳裏に浮かぶのはさっきの出来事ばかり。
生徒会室を出る時に見えた先輩達の切なそうな表情に胸が締め付けられる。
「やっぱり、まだダメじゃん。」
自分に嫌気がさした。
割と強めの風が私の束ねた髪の毛をからかうように揺らす。
………。
そういえば…。
「今頃だったっけ…。」
ふと三年前の今頃の記憶が思い出された。
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