Second Light
相馬の視線の先には、うつ伏せに倒れている男。
こいつ……私が目を覚ました時に話しかけてきた奴だ。
「お前、なんでこの世界を抜けたんだよ。」
名も知らない男は、戦いで疲れ切ったようで、もう立ち上がれないらしい。
「知ってんだろ?翔太が引退するっつうから辞めたんだよ。」
翔太……?
「それでも、お前はまだ上に行けた。
これ以上の何かを掴めたはずだ!!」
確かに、相馬は強い。
No1以上の高みがあるとしたら、そこまで辿り着けただろう。
「これ以上ってなんだ?
No1を取って、俺たちはしたいことをしてきた。
もし、仮にこれ以上の何かがあったとしても、おれはここで楽しかった。
何よりこれ以上の世界には………」
相馬は冷めた目で、そいつを見つめる。
「汚ぇものしかねぇと思ったんだ。」