Second Light
《みくるside》
「さて、行くか。」
数十メートル先に見える、松永組の本拠地である大きな屋敷を見る。
見張りも多いし、厳しい戦いにはなりそうだ。
……結局、相馬を連れては来なかった。
素人と一緒に戦うことはできない。
なによりこれ以上彼には闇に染まって欲しくなかったから。
さっきの言葉に、私を少しだけーー本当に少しだけ救われたんだ。
あなたが光に見えたんだよ。
光を、私のーー私たちが作る闇で覆うわけにはいかない。
その輝きに救われる人が、大勢いるから。
「………2016か。」
時刻を確認すると、仕事用の携帯は服の奥に隠す。