Second Light



それは、まるで裏世界の中でも、上に立つやつの表情と似ていた。



「私の質問にだけ答えろ。」



あいは、私には見向きもせずに、拳銃を下ろして松永を見下ろす。



「さっきのお前の部下の話……お前以外に誰が知っている。」



「そ、その部下と俺だけだ……他には誰にも言ってません。」



極道の組長ともあろう人が、あいに敬語をつかい、地に頭をつけている。




まるで蛇に睨まれた蛙だ。



「本当だろうな?」


「嘘も偽りもありません!」




「それなら、人体実験の話はなんだ?」



それは、私が “駒” と言われた男の死の間際に聞いた、話。



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