Second Light
「なぜなの?」
「それは、お嬢にも言えないです。
たとえ、命にかえても話すわけにはいかねぇ。」
人体実験といい、“あの日” の事件といい…
・・・
私たち以上の組織と、こいつは関わっている。
「あなたは、私たちをーー父を裏切っていたのね?」
自分の口から出る 『父』という単語。
呼んだのはいつぶりだろう。
「お嬢。俺はこれ以上なにを言われても漏らさねぇ。」
その瞳には、本物の恐怖が映っていた。
「俺たちが人体実験をしたのも、“あの日” に関わったのも認めます。
でも、どんな拷問をしようとゲロったりしねぇ。
ーー殺してください。」
そして今。
こいつは自分だけ楽になろうとしている。