Second Light



久しぶりに聞く、俺が嫌いなその声。



「んだよ。てめぇか。」



「はい。お久しぶりです。相馬くん。」



にこやかに笑うそいつーーー林 千草からは、殺気が感じられる。



みくるが俺の手を握っているのが許せないみたいだ。




「放すわけねぇだろ。たとえ、どんなことがあろうと。」



どんなに経験を重ねても、“死” を見ても……こいつが 『女の子』 という事実は変えられない。



俺は、みくるの手に視線を移す。



こんなに小さな手で……お前はどんだけ頑張ってんだよ。



「放させますよ……絶対に。」




林千草は、怪しげに笑う。


こいつはーーきっと、最後の最後で、みくるを裏切る。




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