Second Light
本来なら、狼神では先輩に挨拶をしなくてはいけない。
けど、こいつはお辞儀をしただけで、声をかけなかった。
それはきっと、俺の腕の中にいる病人が見えたからだろう。
俺に大声で挨拶をして、病人への負担を避けたのだろう。
本当、いいチームだ。
先輩から受け継がれる礼儀と、先輩たちの優しさが、チームを良くしていってるんだろぉな。
「悪いな、頼む。」
「いえ、大丈夫です。たいしたことではないですから。」
本当、いいチームだ……
俺は、階段を下り切ると、保健室を目指す。
保健室の前のドアも後輩は気を配って開けてくれた。