Second Light
教室に入ると、授業をしていたらしい先生が声をかけてくる。
この高校で去年まで狼神の総長として目立っていた俺は、先生全員に名前を覚えられている。
「帰る。佐倉が早退。」
雰囲気が癒し系のぽっちゃりじじいが、古典をしていたらしい。
そいつに、俺は、適当に説明した。
これ以上言うことはねぇ。
俺は、窓側の席のみくると俺の鞄を取ると、教室を出ようとしてーーー
気付く。
林がいない?
「どうしましたか。」
まさか保健室に行ってたりしねぇよな……
じじいの声を無視して、俺は廊下に出て走る。
みくるとあいつを近付けさせるわけにはいかねぇんだ。