Second Light
俺が匂いの元を辿り、そこに着いた時。
「………?!」
一人の漆黒の少女が立っていた。
「みくる……」
自然とその名を口にする。
いつものフードも被らずに、風に黒髪を靡かせ (なびかせ)……月を見上げている少女がそこにいた。
いつもなら、聞こえているはずの俺の声に、反応を見せない彼女。
「みくる……!!」
少し声を荒げれば、みくるはゆっくりと俺を見た。
俺は、走って近寄ると、みくるの手を引っ張り、近くのビルとビルの間に入る。
「なにやってんだよ?!
誰かに見られたかもしれねぇんだぞ!」