Second Light



この世から、女が消えても問題ないと思っていた。



でも……



胡桃に出会って変わった。


全部新鮮で、初めて女を好きになった。




「胡桃、好きだ。」



もう一度、耳で囁いてやれば、胡桃は今度はビクっと体を揺らす。




「………“好き”……?」



何かを確かめるように、ゆっくりと言葉を紡ぐ胡桃。



戸惑う姿も可愛い。




「でも、私は暗殺者で……人殺し。」



「そんなの最初から知ってる。
それでも、好きになった。」



優しく抱きしめてやれば、落ち着くのか体の力を緩めて、体重を預けてくる。




「面白くもないし、表情だって豊かじゃない。可愛いこともないし、得意なことと言えば、仕事のこれだけ。」



「でも、優しいだろ?他のやつにわかんなくても、俺には胡桃の表情の変化はわかる。
それに……」



俺は、抱きしめた腕の力を強くする。





「胡桃は俺にとって、世界一可愛いやつなんだよ。」





< 248 / 577 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop