Second Light
この世から、女が消えても問題ないと思っていた。
でも……
胡桃に出会って変わった。
全部新鮮で、初めて女を好きになった。
「胡桃、好きだ。」
もう一度、耳で囁いてやれば、胡桃は今度はビクっと体を揺らす。
「………“好き”……?」
何かを確かめるように、ゆっくりと言葉を紡ぐ胡桃。
戸惑う姿も可愛い。
「でも、私は暗殺者で……人殺し。」
「そんなの最初から知ってる。
それでも、好きになった。」
優しく抱きしめてやれば、落ち着くのか体の力を緩めて、体重を預けてくる。
「面白くもないし、表情だって豊かじゃない。可愛いこともないし、得意なことと言えば、仕事のこれだけ。」
「でも、優しいだろ?他のやつにわかんなくても、俺には胡桃の表情の変化はわかる。
それに……」
俺は、抱きしめた腕の力を強くする。
「胡桃は俺にとって、世界一可愛いやつなんだよ。」