Second Light
それ以上先は聞けなかった。
私が逃げたからじゃない。
彼らが、もう何も話さずに抱きしめ合うから。
『でも……胡桃が…』
その続きは一体なに?
私の本名まで出すほど、切羽詰まっているというの?
それとも……私の秘密を……あなたはあいに話したの?
潤に直接聞けばいいだけ。
そんなこと、わかっている。
この足を一歩出せば……この状況は変わるのに……
私はまだ……弱虫だ。
私が出した一歩は、前ではなく後ろだった。
感情が高ぶっていたのか、気配を隠せなかった私。
「誰?」
「誰だ?!」
あいと潤の声が聞こえても……振り返ることはなかった。