Second Light



胡桃が、裏の世界を……そして裏の住人である自分を嫌っているのは知っている。



本人から直接聞いたわけじゃねぇけど、最初からなんとなく予想はしていた。



初めて見たときの、胡桃の表情。




闇に包まれたように、死にかけてギリギリで生きている瞳。



自分を主張しようとしない、異常なほどの無表情。



普段から自分を封じ込め、闇に飲まれず、光に自ら手を伸ばそうともせず……


ただ、「生きている」。



空っぽの中身で、上辺だけ固めて。



自分の心さえ、封じ込めようとしている。



最初から最後まで胡桃は自分を殺そうとしていた。



自分の心を殺すために、人一倍気を張って、周りを疑って……



そんなの、精神も体も保たねぇよ。




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