Second Light
トラがこの世界に入って、10年間。
彼から見れば、私の瞳が闇の世界の中でも、随一で恐ろしかったのだという。
氷のように、感情を映さない冷たい瞳。
まるで、その瞳だけで人を殺せそうだ。
そう、言われたことがあった。
「別に。」
それだけ言って、私は幹部室を後にした。
さっさと仕事を終わらせてしまおう。
このままだとトラとライオンしか、幹部は出席しないだろうから。
といっても、誰も歓迎はしないだろうけど。
自嘲的に口に笑みを浮かばせて、私は長い通路を歩く。
次の幹部だって、すぐに死ぬだろうし。