Second Light
俺は彼女と姫を重ねる
《那津side》
「あ………」
朝、登校した俺は、教室へ向かうために階段にいた。
上から騒ぎが聞こえ、顔をあげると……そこにいたのは潤さんだった。
でも、俺が驚いたのは、そこじゃない。
あの、女嫌いだった元総長が、ある女を抱きかかえていたからだ。
潤さんの腕の中の女は長いストレートな黒髪の綺麗な少女。
誰もが振り返って見てしまうような、美麗の持ち主だった。
でも、どうやら体調が悪いのか、ぐったりと潤さんに寄りかかっている。
ギャラリーは騒いでいるが、体調が優れない時の大声は辛いもの。
俺のせいで時間を取るのも悪いし、俺は声をかけずに、通り過ぎようとした。
カタン