Second Light
許せるはずないのに、なぜこんなにも温かい気持ちが芽生えてるの?
なんで、この人に甘えたいと願っているの?
「…………二人っきりになれる場所に行こう。」
引っ張られるままに、連れられて。
着いた場所は、誰もいない空き教室だった。
「鈴波は、こっちの世界の人間じゃないんだよな。」
「ええ、そうよ。私は、裏の人間。」
正直、どうして、東條が裏の存在を知っているかは謎だ。
けど、もう話すことに躊躇いは無かった。
「私は、捨てられて、行き着いた先が、ある組織だった。」
裏の世界には、私よりも残酷な運命の中にいる人もいる。
だから、自分の人生を “不幸” として人に語ることはなかった。