Second Light



キーン……




空の薬莢が落ちる音。




鈴波の持つ銃口から、煙があがっていた。



詳しくはわからねえが、その銃をよく見れば、サイレンサーと思われる代物が付いている。





「…っ……!……泉?!泉!」



銃口が向けられたのは泉。




彼女にくる依頼の本当の目的なんて、わかっていたはずだ。



誰かを狙っていることくらい、俺ならすぐに気付けたはずだ。




「泉……!!」



慌てて止血しようとするが、傷口を押さえる俺の手の下から、血は止まらない。




泉は言っていた。



走る俺を見たから、ここに来たのだと。


稽古事の帰りに、俺を見たと。



少し調べれば、わかったはずだ。



泉が毎週この日に、生花の稽古をしていて、そして帰りにここの近くを通ることくらい……!!




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