Second Light
それでも、俺に勇気を与えてくれた。
泉はそれ以上、喋らなかった。
虫の息とも言える、本当に小さな呼吸音が聞こえた。
閉じた瞼が開くことは、もうないかもしれない。
いくら高飛車で傲慢なやつとはいえ、やっぱり俺とこいつは幼馴染な訳で。
身分は違うけど、家の庭で一人ぼっちだったお前に、俺が声をかけた出会いの場面が浮かび上がる。
どんなに皆に嫌われようと、お前は俺の大切な幼馴染であることに変わりはないから。
そばにいたい。
けど、こいつがいて欲しくないと言うから。
こんな時に、告白なんてするから……俺はその望みを叶えなければいけないんだと思う。
「本当に、お前は強くなったな。」
一人ぼっちの庭で、泣いていたあの日から、もう何年も経った……
「いってくる」
ありがとな、泉…