Second Light
ガラガラ
先生とは違い、ゆっくりと開いた教室のドア。
コツコツ
教室は賑やかなはずなのに、なぜか彼女の靴の音が響いた。
入ってきたのは、長い黒髪をなびかせた少女。
誰が見ても綺麗だと感じるほど、美しい顔立ち。
黒の瞳に、赤い唇。
真っ白な肌と綺麗な形の鼻。
化粧を一度もしたことのないような、きめ細かい肌。
「佐倉 みくる (さくら みくる)。」
教卓の前に立つと、一言だけ発した。
その声すら、誰もが聞き惚れるくらい綺麗で……
なのに。
その真っ黒な瞳が、なぜか俺には泣きそうに見えた。