Second Light
「……なんか、ごめん。先に教室に戻って。」
この涙を誰にも見せたくなくて……
相馬に背を向けたまま、私は言葉を投げかけた。
「…………相馬?」
返ってこない返事。
不信に思って後ろを振り向いた。
ふわっ
空気が揺れた。
「……帰るわけねぇじゃん。」
いつの間に後ろにきていたのか……
私は相馬に抱きしめられていた。
本当に気配を消すのが上手い。
ポンポン…
あやすように背中を撫でられた。
子どもじゃないし、こんなやつに抱きしめられたくないのに。
でも、それ以上に…
相馬の温もりに安心したんだ。