Second Light
綺麗な黒髪をなびかせながら、彼女は俺の方に歩いてきた。
「--どかして。」
「は?」
いきなり意味不明なことを言われて、戸惑う。
「それ、邪魔なの。」
彼女が指差した先には、俺の鞄ーーが乗った椅子。
そこは俺の隣の席。
「私の席。」
ああ、俺の隣が彼女の席なのか。
俺は、隣の席に乗せていた自分の鞄をどけた。
「これから、よろしくな。」
一応、笑いかける。
礼儀っていうか……まあ、出だしはこんなもんだろ。
「ーー嫌よ。」
はぁっ?!