紅炎と雷炎 ②


美樹「あたしは、人をたくさん殺してきた…。


そして、あたしは6歳になって直後、あたしの今の親、平川一樹を殺せって言われた。
でも、小さいあたしでもわかった。

この人は殺しちゃ駄目だって…

だから、あたしは初めて親父に逆らった…。

で、必死に逃げた。 
殺されないように…

おかしいよね…。
今までたくさん人を殺してきたくせに、死にたくないって思うなんて…

でも、あたしは本当に死にたくなかった。
だから、必死に逃げた。

そこで出会った人があたしが殺すはずだった人だった。
そして、

『美樹ちゃんかい? 俺は平川一樹っていうんだけど、今日までよく我慢したね。 もう、大丈夫だよ。 もう、あの家には帰らなくていい。 俺の家の養女になってもらったらかね』

って言われた。
はじめは何を言ってるのかわからなくて、警戒してた。
でも、次の瞬間あたしの全ての力がスッと抜けた。


『吉井定家は俺のグループが潰す。 裏で後片付けをしてたのは君だね? 小さいからだでよく頑張ったね。 もう、人を殺さなくても大丈夫だよ。 お疲れ様』

って優しく微笑んだんだ。
あたしはその微笑みを見て号泣した。

そして、あたしは平川家の養女になったの」


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