「俺様くん、プリン買ってきました!!」
「イカ焼き」

「え?」

「タッキーイカ焼き奢って」

私たちは近所の神社でやっている夏祭りに来ている。

「えー、イヤだよー」

南さんに頼むなんて命がいくつあっても足りない。タッキーとなれば話は別。


「イカ焼き奢ってよー!この野郎!」


「俺チョコバナナ」

「お前は甘いもん好きだな、女子か!逆にひよちゃんはもっとかわいいもの選べないの?イカ焼きって。女子高生は買わないよ普通」

最近のJKなめんな!


「さっさと買ってこい」

「奢る上に買ってこさせるの?俺を一人にする気?泣くよ?」


「あっ射的!的は…タッキーかなっ☆」

「俺に任せろ。射的は得意だ」

「何だよ!こういう時だけ手組みやがって!もういいよ、行ってくるよ!」

「最初からそうしろ」


不機嫌オーラを出しているタッキーの背中はだんだん小さくなっていく。

うむ。これでハードルを一つ飛び越えたな、うん。
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