初恋!応援団

「雅、どうしたの?」

特になにを話すわけでもなく。
お互い、目を合わせることもなく
歩いていたのに。
雅が陸橋の上で急に立ち止まった。

「あぁ、ちょっと。」

「なに?」

ちょっと迷った顔をして・・・
それから雅は口を開いた。

「お前、こっから家近い?」

「うん、この陸橋こえたらすぐ。」

「あー、そっか。」


なんか、変なの。
どうしたんだろ?

「飯、早く食って。
 もっかいココに来い。」

「え!?なんで??」

「いーから、来いって。」

いやいやいや、なんなのコイツ。
本当に気まぐれ屋さんだな!?

と、思ったら。
雅はまた歩き出した。

「え、ちょっと待ってよ!」

「ぅっせーな、なんだよ?」

うっせーな、じゃないでしょ!

「なんで急に?」

「え、なにが?」

あぁ!!
コイツ、どんだけ自己中心的なの!?

「ご飯食べたらって、
 なんでよ?」

「・・・まぁ、来たらわかるって。」

「そりゃぁね!?」

そうゆうこと
聞いてるわけじゃないの!!

「いーよ。
 来たくなかったら来なくても。」

もぅ、ダメだ。
諦めよう・・・

「わかったよ、行きますよ!」

「最初っからそうしろよ。」

ムッカー!!
なんだよ、コイツ。
巨人のくせに、
態度までデカイな?おい。

「じゃー、いくぞ。」

また、ずんずんと歩き出す。

「ちょっと、雅。
 さっきから思ってたけど。 
 歩くの早いってば!」

ホント巨人!!!
歩幅がアタシの2歩分。
ついてけないよ・・・。

「チビ、のろま。カス、くそ。」

「うぅ、このヤロォ・・・。」

そうして私は、
巨人こと雅と、意味不明な約束をして
巨人に振り回されながら
帰路をたどったのでした。
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