初恋!応援団

「おぃ、歩夢。」

「ぅ、ん・・・う”!?」

タッキーの声がした。
私がいるのはベットの上、
窓のカーテンの隙間から
眩しいうっすらと日差しが漏れている。

あさ・・・・?

「ヴ、っじゃねーよ。
 起きろって。」

「なんで、タッキーがいんの!?」

状況を把握した瞬間、
一気に目が覚めた。

「もう7時なるんだけど。」

「えぇ!?」

「だから、迎えに来たんだよ。
 したら、上がって待っててって。」

おかぁさ~~~~ん!!

「いつものことだろ?」

「あー、さいあく。
  寝顔みられたぁ。」

「歩夢、授業ねてんだから。
  変わんねぇだろ。」

あ、そっか。

「あー、眠いょ。」

「なる、来るぞ。急げよ。」

「あぁ!そうだったっ!」

アタシが遅れたら、話にならない!

ベットから飛び降りて、
足がもつれる。
こけそうなギリギリのところを
タッキーに受け止められる。

「あっぶねぇなぁ。」

「ご、めん。」

上から、そそっかしいな。って
声がふってきた。

「ごめんってば。」

「荷物は、準備しとくから。
 さっさと飯くって着替えろ。」

「おっおねがい!」

あ、カバンの中にヤバイ物・・・
入ってなかったよね?

タッキーは、家が近いこともあって、
お互いの両親が
仲良くなったことをキッカケに
アタシ達も仲良くなった。

「おはよっ!」

「あ。あーちゃん!寝坊なんかして・・・
 しっかりしなさい?」

おかぁさん...。

「もぅ、おかーさんっ!
 アタシの部屋にタッキー
 入れないでよ!」

「あーちゃん、寝坊するからでしょぉ?
 外で待たせるわけに
 いかないじゃない?」

「リビングで待たせれば!?
 おかぁさんが起こしてくれれば」

「あー、うるさいわねぇ。
 さっさと食べちゃいなさいよ。」

・・・・は?
なに、たしかに寝坊したのは確かだし
悪いとも思ってるよ。けどさ?
それが年頃の女子の部屋に
仮にも男子を入れる理由になるの!?

ご飯を食べて歯磨きもして
部屋に戻ると、
タッキーが漫画を読んでた。

「着替えるから、でろ!」

アタシは不機嫌。

「準備してやったのに
 扱いひでぇなー。」

タッキーはブツブツ言いながらも
部屋を出てく。

「あ、玄関まで行って待っててよ。」

はい、とカバンをだす。

「うっわ、おも。」

「じゃーね。よろしく!」

ちょっと、いや、かなり強引に
部屋からカバンと一緒に押し出す。

そして、パジャマをぬいで。
セーラー服(冬)をきて。
髪は寝癖が少しついていたけど
見なかったことにした。

「あーちゃん!
 ちー君またせてるわよ。」

「わかってるって!」

7時10分、約束の時間まで
あと20分。間に合うかな!?

「タッキー、ごっめん!!」

「ぉら、背負え!
 そして走れ!!」

「え、今日5教科だよね!?
 お、重いぃ!」

皮肉なほど、
朝日は眩しかった。









< 14 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop