初恋!応援団
5分くらいしてからだった。
ののと話していたら、
隣の席の椅子が、ギギっと鳴った。
「あっ。」
ののが話しを忘れて、
短く言った。
「この人っ!
チアキ、滝沢 千昌!」
クラス中に響く声。
「ちょ…のの、声でかいってば!」
「アンタもな?」
例の『滝沢 千昌』が、カバンから
教科書類を机へ移し替えながらいった。
低いような、高いような、
笑っているような声だった。
「なる、だってよぉー?
ぷぷっ、あははははは!!!」
「ののぉ…」
ののは、まるっきり馬鹿にして
大声で高らかに笑った。
「うるせぇって、歩夢も。」
『滝沢 千昌』がいった。
歩夢、下の名前で呼ぶんだ。
キーンコーンカーンコーン♪
朝のチャイムだ、
読書の時間が始まる…
「じゃね、なる!」
「うん…。」
ののは面白がっているのか、
からかうように笑った。
こっちは全然、笑えない。
気まずいよ…。
『滝沢 千昌』は、何も話さないまま
本を開いた。
はぁ…。
私、人見知りとか
しないんだけどなぁー。
読書の時間だけど、
みんな、まだ話してる。
前の席も、後ろの席も、全部。
それこそ、本を読んでいるのは
私と『滝沢 千昌』ぐらい…。
はぁ。
ののは私がため息をつくたび、
ぷぷっ、て笑う。
聞こえてるって!
「なる、って名前…?」
隣からの声で我に返る。
「…私?」
「あと、誰がいんの?」
『滝沢 千昌』は、不機嫌そうに睨む。
「…なるはあだ名、ナルセだから。」
シャーペンで机に
『成瀬』と書いた。
「へー、あ。だからのの?」
「うん、そう。」
私が歩夢を『のの』って呼ぶのは
苗字が『ノノミヤ』だから。
「え、じゃあ名前は?」
「えっと、」
さっき書いた
『成瀬』の隣に『凛』と付け足す。
「りん?」
「うん、正解。」
「知ってるみたいだけど、俺は…」
『滝沢 千昌』は、
シャーペンを私の手からとり、
私の机に書き始める。
『シ竜 ミ尺 チ昌』
酷くクセのある字だ。
「…よめないよ。」
「横から書いてんだから、
仕方ねぇだろ?」
「私の机に書くからじゃん。」
「…悪い?」
『滝沢 千昌』は、文句あるか?
とでも言いたげに言う。
「別に良いけど、ね。」
ガラっ!
先生が入ってきた。
みんな、急に静か…。
今まで読書をしていました。
とばかりに本を読み“進める”。
さっきの騒々しさからは
考えられない静寂に包まれた。
新学期の朝は、そんなところから
始まった
ののと話していたら、
隣の席の椅子が、ギギっと鳴った。
「あっ。」
ののが話しを忘れて、
短く言った。
「この人っ!
チアキ、滝沢 千昌!」
クラス中に響く声。
「ちょ…のの、声でかいってば!」
「アンタもな?」
例の『滝沢 千昌』が、カバンから
教科書類を机へ移し替えながらいった。
低いような、高いような、
笑っているような声だった。
「なる、だってよぉー?
ぷぷっ、あははははは!!!」
「ののぉ…」
ののは、まるっきり馬鹿にして
大声で高らかに笑った。
「うるせぇって、歩夢も。」
『滝沢 千昌』がいった。
歩夢、下の名前で呼ぶんだ。
キーンコーンカーンコーン♪
朝のチャイムだ、
読書の時間が始まる…
「じゃね、なる!」
「うん…。」
ののは面白がっているのか、
からかうように笑った。
こっちは全然、笑えない。
気まずいよ…。
『滝沢 千昌』は、何も話さないまま
本を開いた。
はぁ…。
私、人見知りとか
しないんだけどなぁー。
読書の時間だけど、
みんな、まだ話してる。
前の席も、後ろの席も、全部。
それこそ、本を読んでいるのは
私と『滝沢 千昌』ぐらい…。
はぁ。
ののは私がため息をつくたび、
ぷぷっ、て笑う。
聞こえてるって!
「なる、って名前…?」
隣からの声で我に返る。
「…私?」
「あと、誰がいんの?」
『滝沢 千昌』は、不機嫌そうに睨む。
「…なるはあだ名、ナルセだから。」
シャーペンで机に
『成瀬』と書いた。
「へー、あ。だからのの?」
「うん、そう。」
私が歩夢を『のの』って呼ぶのは
苗字が『ノノミヤ』だから。
「え、じゃあ名前は?」
「えっと、」
さっき書いた
『成瀬』の隣に『凛』と付け足す。
「りん?」
「うん、正解。」
「知ってるみたいだけど、俺は…」
『滝沢 千昌』は、
シャーペンを私の手からとり、
私の机に書き始める。
『シ竜 ミ尺 チ昌』
酷くクセのある字だ。
「…よめないよ。」
「横から書いてんだから、
仕方ねぇだろ?」
「私の机に書くからじゃん。」
「…悪い?」
『滝沢 千昌』は、文句あるか?
とでも言いたげに言う。
「別に良いけど、ね。」
ガラっ!
先生が入ってきた。
みんな、急に静か…。
今まで読書をしていました。
とばかりに本を読み“進める”。
さっきの騒々しさからは
考えられない静寂に包まれた。
新学期の朝は、そんなところから
始まった