初恋!応援団
「なる、どうしたよ?」
『滝沢 千昌』は、
『雅 拓真』を眺める私に聞いた。
ののは、用事を思い出したように。
自分の席の方へと戻って行く。
「…なる...?
誰?このちっさいの。」
『雅 拓真』の私の印象は
ちっさいの。らしい......。
低い声だった。
笑顔が、若干引きつってる。
睨むような、威嚇するような、
そんな目に見えた。
てゆーか!
「誰?までは良いとして、
ちっさくはないでしょ!?
アンタが大きんじゃんか!」
あんまり、背がちっちゃい
って言われるの。好きじゃない。
私の成長期は
小学6年生くらいまでで。
今はほとんど伸びてない。
156センチくらい。
そんなに、小さい方じゃないはずだし。
のののほうが、チビ。
「だよなー?
こいつデッケーよなぁ?」
千昌は、チビって言われた私に
同情してんのか、馬鹿にしてんのか。
とにかく、なんかムカつく
笑い方をした。
「いや、真面目に誰?」
『雅 拓真』が、本題を忘れるな。
という風に聞いた。
「私?成瀬凛です。」
「ナルセ リン...。」
「苗字がナルセだから、
なるって呼んでんの。」
千昌が付け加え、
「つか、お前も名乗れよ?」と言う。
一方の『雅拓真』は、
「あ?めんどくせー。」と言う。
「ミヤビ、タクマ?」
名乗る気のなさそうな彼を見て、
私はネームプレートをそのまま読んだ。
「あぁ、そーだよ。
つかお前さ、誰?
千昌の知り合い?」
名前、
気安く呼ばない方が良かったかな?
めっちゃ警戒さてる。
「今日の朝、知り合ったの。」
「...知り合いじゃねぇんじゃん。」
「じゃあ、何?」
不満そうに質問する私に『雅 拓真』
は、表情を変えずに言った。
「隣人。」
隣の席....隣人....。
「まぁまぁ、拓真。
そんな喧嘩腰になんなよ。」
千晶が、呆れたような。笑うような。
そんな声でいった。
それに構わず、雅はニヤリと笑った。
「チビの凛、覚えたぞ?」
「っな!?
こっちこそ、巨人の雅!
アンタ、覚えたよ!!」
何なんだろう、あの雅。って人。
何がしたいのか、全くつかめない。
千晶は、イラついてる私と。
無表情の雅を見比べていた。