初恋!応援団
新学期の放課後
新学期初日ということで、
始業式以外はやることがないらしく
早くも下校の時刻となった。
「なるぅ、
はーやーくー!」
「ちょっと待ってって。」
私が少しばかり先生に雑用を頼まれて
遅くなり、教室には
雑談をしていたののと、たき君2人と
たき君を待つ雅の3人しかいなかった。
ののは機嫌を損ねると面倒になる。
焦りながら、荷物をザックに詰め込む。
「なるとののって、家近いの?」
たき君が聞いた。
「ぜーんぜん?」
「え?」
ののの伸びやかな答えに
たき君は疑問を抱いたようだった。
「タッキー、
アタシの家知ってるでしょ?
紅葉通り。」
「あぁ、オレんちの方だろ?」
「うん、で。
なるは銀杏通り。」
「うっわ、真逆じゃん。
校門でてすぐ道分かれるだろ。」
「うん。」
「私が遠回りして帰ってんの。」
ようやく準備を終えた。
「え、大変じゃん。」
「そー、毎朝5時起き...。」
そして、帰りも紅葉通りを通って
家に帰る。
「うっわ、キッツ。」
たき君は心底、同情したようだった。
「千晶、帰ろうぜ?」
「おー、拓真。」
雅だ。
この二人はどうなんだろう?
「雅とたき君って、家近いの?」
「なんでお前なんかに・・・。」
雅が警戒心丸出しで答える。
「あっれ、タックーって
銀杏通りだよね?」
ののが思い出したように
言った。
「え、じゃぁ。たき君と
真逆じゃん。」
「そー、だからオレら校門で
別れる。」
「てゆうかアタシ、
お腹すいてるんだけど!」
急にののが・・・キレる。
「じゃぁ、早く帰れよ。
うっせーな・・・。」
雅がののを睨む。
「拓真、顔怖いって。」
「・・・のの、先帰って良いよ?」
正直、私もお腹すいてるし。
遠回りする気力ない・・・。
「えー!??1人ヤダぁー。」
本当にお腹がすいてるのかと思うほど、
ののは元気いっぱいにダダをこねた。
「じゃあ、コイツ・・・千晶と帰れば?」
雅はまた、うるさそうに言った。
「タッキー、帰ろー?」
「え、マジで?」
「ほらほら!」
ののは強引に、
たき君の腕を引っ張って帰ってく。
きっと私を待ってたのに、
帰って良いと言われ
すねたんだ。
「じゃーな、拓真。
明日なー?」
「おー、頑張れよ。」
たき君を引っ張って歩くののの顔は
口をとんがらせていて、
いかにも機嫌が悪そうだった。
「のの、ごめんね?」
「明日、遅刻したら
許さないからね。」
「あー、はいはい。」
今まで遅刻ないってゆうのに・・・。
そして教室には
私と雅が残された