生意気なKiss
「…というわけで。
センパイ、キスお願いします♪」
体育祭の振り替え休日を挟んだ、翌日の学校。
あたしの体調もすっかりよくなり、今は真木に連れ出され屋上にいる。
「…わかった」
ちなみに真木のクラスは優勝した。一年としては史上初の快挙らしい。
…あたしの負けだ。
ここで逃げたら女が廃る。
覚悟を決めて、一歩、真木に近づく。
真木の両肩にガシッと手を置き、徐々に顔を…
「…センパイ?
時、止まってますけど」
「っうるさい!
今するところだ!!」
そうだ。
真木にき、キスをするなんて思うからいけないんだ。
こいつは真木ではない。
ジャガイモだ。
あたしの好きな野菜ランキング堂々第一のジャガイモだ。
ジャガイモジャガイモ、目の前にいるのは掘り立てのジャガイモ。
ジャガ…
「っやっぱ無理だ!!!」
あたしは真木の肩から手をはなし、思わず頭を抱えた。