生意気なKiss





振り向くと




「ま、真木!?」





物凄く不機嫌そうな真木がブスッとした表情で工藤を睨み付けていた。





「すみませんけど気安く触らないでもらえますか?」




「え…え…俺!?
あっうん、そうだよな!わっ悪い悪い!」





年下とは思えない真木の迫力にビビっている工藤。





「ごめんな!彼氏くんのことも考えずに気安く飯誘ったりして…」



「だっだから彼氏じゃねーよ!」





背中から伝わる真木の体温がやけに恥ずかしくて、あたしは腰に回る真木の腕を引きはがそうともがいた。










「…ふーん?」


「っおい!」





逆にグッと強まった腕の力に、さらに密着する背中。
顔のすぐ上から降ってくる真木の吐息が耳にかかる。







「…は、はなせっ!!!」





あたしは何だかどうしようもなく恥ずかしくなって、無理やり真木の腕から脱出した。







「おっお前な!ココは教室だぞ!!!」


「…そうですよね、俺、別にセンパイの彼氏でもなんでもないし」


「は、はぁ!?」


「…いや…も、いーです」





苦虫をかみつぶしたような、何だか複雑そうな顔をした真木は、クルリと背を向けスタスタ歩いていった。





「お、おい真木っ…!!」



「よし分かった!!!」




何が分かったのか、突然工藤は大きな声をあげると





「彼氏くんも一緒に飯行こうゼ!!!☆」




真木の腕をガシッとつかみ、ウインクしながらそう言った。





は…はぁあ!?





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