生意気なKiss
真木に学食で突然好きだって言われたこと、そしてチンピラどもからあたしを命懸けで守ってくれたことを思い出す。
…顔が熱くなったのはこの湯気のせいだ!絶対そうだ!!!
あたしは真木から目を逸らしてチャーシュー麺をすすった。
***
帰り道。
「じゃー二人ともサンキューな!
俺…がんばってみるわ!!!!!」
決意に燃えた瞳で意気込む工藤。
「おー…まぁガンバレ」
あたしは生暖かい目で見守ってやろう。
「おう!また明日な!!!」
そしてバーニング・工藤は走っていった。明日へ。
あたしらも帰るかー…
と歩き出そうとした瞬間
「あっそうだ葛城!!!!」
後ろでそんな声が聞こえたのとほぼ同時に
グイッと強く腕を引かれた。
目の前にはいつになく真剣な工藤の顔。
「え…」
うそだろ、と思った時にはもう遅く
近づいてくる工藤の顔、アップになる唇。
「っおい!!!」
無意識のうちに全力で工藤を押し返していた。
「…この馬鹿力女…」
尻餅をついた工藤が恨みがましくあたしを見上げる。
「だっお前が悪いんだろ!?何なんだよ急に!!!」
「何なんだよって…お節介?」
立ち上がった工藤がグッともう一度あたしの腕をつかんで、耳元に顔を寄せると
「いい加減気付けば?」
そう悪戯っぽく囁いた。