生意気なKiss

「…………え！？」





たっぷりの沈黙の後、素っ頓狂な声をあげて真木はガバッと肩をつかみあたしを離した。






「え…え！？い、今なんて…」



「…だ、だから…



……わかった、って言った」





カッと顔に熱が集まっていく。





に、二回も言わせるなバカ野郎！！！






しかし真木は、そんなあたしを見ても目を白黒させるばかりで






「な、なんで…センパイ意味わかってますか？」




「…ば、バカにすんな！！！」






意味くらい分かってる。





正直今の言葉は、言おうと思ったというより口から零れ出たって感じだったけど、




…でも



紛れもない本心だ。






「…あ、あたしは…最近お前といるとおかしい。


お前に触られると、なんか…すっごくドキドキする。病気かって思うくらい…心臓痛くなる。



さっき、工藤に触られた時は、ただ…ムリだって思った。




…でも、真木に触られると…すっごくドキドキするけど……


なんか…あ、安心する。



いつから、とかそんなの知らない。



知らないけど……あ、あたしは今…お、お前とずっと一緒にいたいっておも、思ったんだ！！」






噛みまくりながらも、なんとか言葉を繋いだ。





真木は何も言わない。表情も分からない。怖くて見れない。






ただただ、体全部が心臓になったみたいに全身の血液が脈打っている。






…真木はやっぱり何も言わない。




なんだよ。もしかして困ってんのか？
いきなりこんな男みたいな女にずっと一緒にいたい、とか言われて。



…そ、そうだよな、あたしみたいな奴にこんなこと言われて、も…






「っ！！！」






ジワリと柄にもなく目頭が熱くなったとき、グイッと顎を持ち上げられて






「……それホント？」





熱を含んだ真木の視線と、ぶつかった。