生意気なKiss
一睡もできなかった…
あたしは太陽の光に目を細めながら、待ち合わせ場所の駅前広場に立っていた。
緊張しすぎて眠れないとか、あたしの人生史上はじめての事じゃないだろうか。
高校入試の前日でさえ爆睡だったのに。
チロン♪と音がしてケータイを見ると
愛海から『今日一日楽しんでね!(^^)♡』というメールがきていた。
愛海には学校で、真木とつ、つつ付き合ってることを報告した。
「おめでとう!」とまるで自分のことのように喜んでくれた愛海。
『ありがとう』と返信を打っていると
「誰とメールしてるんですか?」
「わっ!!!」
突如耳元で聞こえた声に、ケータイを落としそうになった。
「いっいつ来たんだよ!!」
「今です♪おはよーございます、センパイ♪」
いつものようにフワリと笑う真木。
「………」
「? センパイ?どーかしましたか?」
「いっいや!何でもない!!」
真木から目を逸らしズンズン歩く。
私服姿の真木を見るのは初めてじゃない。
こないだのダブルデート?の時も見たし。
でもなんか。
なんか。
前より100倍くらいカッコよく見えるのは何でだ!!!