生意気なKiss
…夢。
「…あたしの夢は…
中学の頃の夢は、あのチームで、全国で優勝することだった」
「優勝…剣道ですか?」
「…そう。準決で負けたけど…」
…あの夏が蘇る。
「って。何の話してんだあたし!
いや、違う。今夢とか特になくて…
あれだ、模索中だ!」
ごまかすようにそう言って、慌ててナポリタンを口に運んだ。
「…何で剣道続けなかったんですか?」
心なしか、いつもより優しい声の真木。
「…怪我。十字靭帯切った」
「…そうだったんですか…」
そうだよ。
…本当にそれだけ?