生意気なKiss
「旅行のプランは俺に任せてください☆
料理がおいしいって有名ないい旅館があるんですよ♪」
「おー」
「なんでも元三ツ星レストランのシェフが…」
真木の料理談義を聞きながら、
温泉…
ごちそう…
のんびり…
と早くも卒業旅行に思いを馳せていると
「あ、言っときますけど♪」
食べ終わったお弁当をまとめた真木が、立ち上がりながら思い出したように言った。
「俺、センパイの受験中いろいろ我慢してたんで。覚悟してきてくださいね?♪」
「は?我慢?なんの?」
わけが分からず首を捻ると、真木は「…ハァ」と呆れたようなため息をついて。
「…こーゆうことですよ」
フッと影ができたと思ったら
身を屈めた真木に触れるだけのキスされた。
「!!」
「…理解できました?」
妙に色っぽい真木にガクガクと頷く。
そういえば真木はあたしの受験中、
本当にたまにしかキスとかハグとかしてこなかった。
真木は必要以上に頷くあたしに満足そうに笑うと
「わかってくれたんならいいんです♪
じゃー俺課題あるんで先教室行きますね♪」
スッとあたしの頬を撫ぜて空き教室を出て行った。
…完全に年下に翻弄されている。
そして
結局覚悟ってなんだ!?