生意気なKiss
「出てたんだ」
心行くまで温泉を堪能して部屋に戻ると、既に真木は部屋でのんびり寛いでいた。
浴衣姿の真木に、今更ながら旅行に来たんだと実感させられる。
「ハイ。あ、お茶買ってきたんですけど飲みますか?♪」
「マジ?ありがとう」
気が利くな。
真木からお茶を受け取る瞬間、チラリと視界に入ったはだけた胸元。
「~~!!!」
ってどこ見てんだあたしっ!!!
「あっああたしが綾〇好きだってよく分かったな!!!」
慌てて真木から目を逸らして、ふんだくるようにしてお茶を受け取った。
ヤバい…なんか感じ悪かったか?
でもはだけてる真木が悪いんだからしょーがないっ!!!!
と動揺しまくりながらフタを開けてゴクゴクとお茶を飲む。
「…すごくいい飲みっぷりですね」
「喉が渇いてたんだ!!!!」
あー潤った!!とペットボトルのフタを閉めた瞬間
グイッと思いきり後ろに腕を引かれて
「…センパイなんかいい匂いする」
お腹の前に回された真木の腕に閉じ込められた。
「ま…真木!?」
反射的に身を捩るあたしに、更にギュッと力がこもる。
「…なんかそそるね」