生意気なKiss
「やっぱ松葉ガニは甘みが違いますねー!♪♪」
さっきのエロティカルな雰囲気はどこへやら、目の前のカニ料理たちを見て目をキラキラさせている真木。
「へぇ、蒸焼きかぁ!確かに直火で焼くよりジューシーだな!☆」
「……」
くそー…コイツ…あんだけ人をドキドキさせて弄んでおいて、一人だけもう完璧に切り替えて料理を楽しみやがってー!!!
「許せん!!」
「え、何がですか?」
キョトンとした顔の真木。
お前だよお前!!!
「それよりセンパイ、このお刺身食べてみてくださいよ♪すっごくおいしいですから♪」
…目の前に差し出される刺身と、キラキラ笑顔の真木。
これは…
アレか!?
あの世の中のカップルがよくやっている通称“あーん”ってやつか!?
「じっ!自分で食う!!!」
カッと熱くなった顔を誤魔化すように、あたしはマッハで刺身をつかみ口に放り込んだ。
「!!」
思わず目を瞠る。
フワッと口の中でとろける甘み。
「うまい…!!!」
「でしょ♪」