生意気なKiss
今思えば、長かったような、短かったような…
さっき貰ったばかりの卒業証書を握りしめ、感慨深く校舎を眺めていると
「爽月ちゃんっ写真撮ろーっ!☆」
校門の前であたしを呼ぶ愛海の声がした。
近くには結花に沙良もいる。
皆胸には『祝 卒業』と書かれたリボン。
…不思議だな。
ついこの間まで、何だかずっと高校生みたいな気分でいたのに、今は高校生でいた今までの毎日が夢みたいに思えてくる。
「あっ篤!シャッター押して!」
結花が近くで男子と話していた工藤に強引にカメラを押し付けた。
工藤の突然すぎる告白から、順調に付き合っている二人。
今では校内でも有名なバカップルに成長した。
「いいけど…後で俺とも撮れよな!?結花!!」
「あーハイハイ。いいから早くシャッター押してよ!」
「今押すっつーの!!」
何だかんだいつも言い合っている二人だけど、お互いがお互いを好きっ!っていうのがにじみ出ている。
結花と工藤は春から同じ地元の大学に進学する。
大学生になっても、二人はずっとこんな感じで、痴話喧嘩ばっかりしてるんだろうな。