生意気なKiss
「親父!!!
稽古してくれ!!!!」
早朝5時。
あたしは親父が師範を務める道場の扉を勢いよく開けた。
武道一家に生まれたあたし。
父親は剣道の師範。
母親は柔道界のマドンナ(自称)。
幼い頃から剣道も柔道も厳しく親に鍛えられた。
中学では強豪の剣道部に入り、団体戦で全国大会三位入賞した。
高校では剣道部には入らなかったものの、親父の道場で稽古は続けている。
幼い頃から自分に厳しく他人に優しく、自分を鍛えてきたつもりだった。
それなのに最近のあたしは
「ど、どうした?何かあったのか?」
あたしの勢いに驚いている親父。
「自分を鍛え直したいんだ!!!」
最近のあたしは隙がありすぎる―――!!!
2こも年下の一年野郎に
あろうことか2回もきっキス(二回目はほっぺ)を奪われるなんて―――!!!!
言語道断だ!!!!