生意気なKiss






「親父!!!



稽古してくれ!!!!」






早朝5時。





あたしは親父が師範を務める道場の扉を勢いよく開けた。






武道一家に生まれたあたし。



父親は剣道の師範。


母親は柔道界のマドンナ(自称)。




幼い頃から剣道も柔道も厳しく親に鍛えられた。




中学では強豪の剣道部に入り、団体戦で全国大会三位入賞した。





高校では剣道部には入らなかったものの、親父の道場で稽古は続けている。






幼い頃から自分に厳しく他人に優しく、自分を鍛えてきたつもりだった。





それなのに最近のあたしは





「ど、どうした?何かあったのか?」





あたしの勢いに驚いている親父。





「自分を鍛え直したいんだ!!!」





最近のあたしは隙がありすぎる―――!!!





2こも年下の一年野郎に




あろうことか2回もきっキス(二回目はほっぺ)を奪われるなんて―――!!!!





言語道断だ!!!!







< 44 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop