生意気なKiss
「お願いします」
蹲踞をして、立ち上がる。
相手に真っ直ぐ切っ先を向ける。
自分の中にピンと一本糸が張ったような。
自分の柱はここにあると。
あたしはこの感覚が好きだ―――
「ありがとうございました!!」
稽古終了。
水道の水をバッと頭からかぶる。
いい汗かいた!
やっぱ剣道はいいな!!
最近アイツのせいでモヤモヤしていた気持ちが、スッと晴れ渡っている気がする。
久しぶりに清々しい気分だ!!
自分の部屋で袴から制服に着替え、一階におりる。
朝ごはんのおいしそうな匂いが充満しているキッチン。
「母さんメシ~」
いつも通り自分の席に座って。
「…は?」
いつも通りではない、異常な光景に目を見開いた。
だってそこには。
「あ、おはよーございます♪センパイ♪」
真木!?!?