生意気なKiss
…思わず真木の手を握る寸前でその動きを止めた。
「何であたしの名前知ってんの?」
愛海が話したのか?
「だってセンパイ有名ですもん、S高のオトコオンナって♪」
一年にまでそう呼ばれてんの!?
「まぁ確かに、センパイどっからどう見ても“男”ですよね~。
制服着てても女装してるようにしか見えないし♪」
「…あ゛?」
コイツ
なんかさらっとムカつくこと言ってないか?
睨みをきかせるあたしに真木はフッと笑うと
「これから仲良くしてくださいね?爽月センパイ♪」
意味ありげにそう言って、歩いて行った。
「…なんかムカつくなアイツ!!」
「うーん、バイト先では普通にいい子なんだけど…」