生意気なKiss
「え…」
「ちょっとは自覚したらどうですか。
何一人でこんな危険なことしてんですか…
センパイ女の子なんですよ!?」
真木が怒っているのを初めて見た。
普段はいつもヘラヘラ、ニコニコしてて
いまいち掴みどころがなくて、何考えてるのかもよく分かんなくて。
そんな真木が
本気で怒っていた。
「…ご、ごめん…」
「…今度からこういう時は俺を呼んでください。
センパイに呼ばれれば、どこにいても飛んでいきますから」
あたしの手首を解放した真木が、立ち上がろうとして「うっ」と声を漏らす。
「だ、大丈夫か!?
ちょっと待ってろ、今手当するもんを…!」
確か近くに薬局があったはずだ…!
慌てて立ち上がって駆け出そうとしたあたしの腕を
真木がつかんで引き留めた。
「そんなの後でいいです。
それより…これで信じられますか?」
「…え…」
「俺がセンパイのこと本気だって」