生意気なKiss
「えっ…」
サラダうどんをすする真木が驚いたように目を見開いた。
「センパイ、ソフトボール出るんですか?
しかも――男子の」
「おう!!!」
カツ丼をむしゃむしゃ頬張りながら力強く頷く。
一ヶ月後に控えた体育祭。
あたしら3年にとっては最後の体育祭。
原則一人一種目に参加することになっていて、あたしは今年男子ソフトボールに出場する。
男子が女子チームに参加することは禁止だが、逆はオッケーなのである。
「じゃぁライバルですね♪
俺もソフトなんで♪」
そう言ってニッコリ微笑む真木。
「マジで?お前そんなヒョロヒョロしててボール投げたり捕ったりできんのか?」
「できますよ」
悪戯っぽく口角をあげた真木は
「俺、やるからには優勝狙うんで。
いくらセンパイでも―――容赦はしませんよ?」
何だと!?
「フッ…」
このあたしに宣戦布告とはいい度胸だな。
「のぞむところだ!!!!」