生意気なKiss
「圧勝、だったね…」
隣の愛海が呟くように言う。
結果は8-3で、1Dが勝利。
終始一年がリードしていた試合で、大した巻き返しもなく大差で負けてしまった3A。
1Dは、三年のメンツを丸潰しにしたと言ってよい。
まるで大リーガーのヒーローインタビューか!?
の勢いで女子に囲まれている真木は、もはやその姿も確認することが出来ない。
1Dは、野球部や経験者はあまりいなかったが、全体的な身体能力がとても高かった。
その中でも群を抜いて目立っていたのがーー真木。
守備のうまさもさることながら、バッティング。
毎回の打席で必ずと言っていいほどヒットを打っていた。
優勝します、なんて大口を叩いていたくらいの実力は
どうやら、あるらしい。