生意気なKiss
次の試合をお互い勝てば、あたしと真木のクラスが準決勝で対戦することになる。
これは心してかからないとなーー
「どうでしたかセンパイ?♪」
振り向くと、まるでさっきまで試合していたとは思えない余裕そうな表情の真木が立っていた。
こいつあたしが見てることに気付いてたのか…
「惚れ直してくれました?♪」
「っはぁ!?
直す前に惚れてねーよ、バーカ!」
そうですか、とクスクス笑う真木に
…なぜかバカにされてるように感じる。
「っとにかく、優勝はあたしが貰う!
そんでお前に焼肉食べ放題を奢ってもらうからな!!!」
そう言ってビシッと人差し指を突きつけると、
「焼肉食べ放題…なんかセンパイらしいですね♪」
フッと鼻で笑われた。
「お前バカにしてんのか!?」
「してないですよ。
まぁ勝つのは俺ですから。
それでセンパイにキスしてもらいます♪」
「っ勝手に言ってろ!!」
「くれぐれも俺に当たる前に負けたりしないでくださいね?センパイ♪」
そう言って真木は、あたしの近くまで歩み寄ると。
ポンッとあたしの頭に手を置いて、クラスメイトの元に戻っていった。
……な。
なななんなんだ今のポンッて。
「っバカにすんな!!!!!」
遠ざかる真木の背中に向かって思い切り叫ぶ。
もう焼肉とかキスとかどうでもよくなってきた。
これは年上としての威厳の問題だ!!!!
「ぜってー勝つ!!!」