生意気なKiss
「爽月ちゃんっついに準決だねっ!」
あたしの横で燃えている愛海。
「あたし、精一杯応援するから!
がんばってね!」
「おー!」
愛海に力強くそう返事をしたのとは裏腹に、頭痛はどんどん酷くなっていた。
ドクンドクンという心臓の鼓動とともに、頭の中の血液が脈打っているのを感じる。
くそっ滅多に頭痛なんてないのに。
何でこんな時に限ってーー
「センパイ
いよいよですね?♪」
今のあたしには、頭痛を悪化させる原因でしかないこの声。
「真木…」
真木たちのクラスももちろん、準々決勝を通過してきていた。