生意気なKiss
一瞬。
忘れていた。
「…今回は引き分けでどうだ」
「なんですかそれ?センパイの棄権ってことで、俺の勝ちですよ♪」
「…ってゆーかまだ勝負はついてないぞ!!!
どっちか先に負けたクラスの方の負けって事だったろ!!!
だからまだ勝負は終わってない!!!!」
力強くそう訴えると、真木は一つため息をついて。
「…わかりました。
俺のクラスがセンパイのクラスに勝てばいいんですよね?」
「…おう」
「じゃーサクッと行って勝ってきます♪」
真木はクルリと踵を返し、ドアに手をかけたところでもう一度あたしを振り返ると。
「…センパイは枕とキスの練習でもしててくださいね?♪」
「誰がするか!!!
言っとくけどあたしのクラスはそんなに弱くないからな!!!」
そう叫んだあたしには何も返さず、ただクスリと笑って真木は保健室を出て行った。
神様。仏様。もうなんでもいいから。
どうかあたしのクラスを
どうか
勝たせてくれ――!!!!