恋のリハビリをあなたと
大地さんが訪ねてきたのは朝だったはずなのに、気付けばお昼を過ぎてしまっていた。


「外でご飯食べないか?このままだと、俺我慢できそうにないから」


彼は困ったように笑っていた。


「……え?」


「このままここに居ると、抱きたくなる。
せっかく付き合えることになったんだ、大事にしたいんだ。
始まりが始まりだったからな……」


2人で顔を見合わせて、苦笑い。


確かに、このままってなると、ちょっと……。


恋人になれたんだから、それをもう少し実感してたいと思った。


「分かった。準備するから待ってて」


「ちょっと待って」


いきなり呼び止められて、そして、気付くと彼の顔が、ものすごく至近距離にあった。


……と思ったら、唇に、温もりを感じた。


え?今、キスされた?


「今日はこれで我慢しておくよ。ほら、準備急いで」


赤くなった私を、クスクスと楽しそうに笑っている。


あー、顔が、というか、全身が熱い。


酔った勢いとはいえ、一度身体の関係を持った間柄なのに、キス1つでこんなにも翻弄されるとは思っていなかった。

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