恋のリハビリをあなたと
「……」


さっきまで、話していたはずなのに、急に彼が黙りこくってしまった。


滅多に見ることのない真剣な表情に、私も黙ったまま彼を見つめた。


「…大地さん?」


「――……ごめんな、俺のせいで嫌な思いさせて」


「大地さんのせいではないでしょ?」


「いや、でもな……」


こんな弱々しい彼はレアだと思う。


「大地さんを選んだのは私だし、こんな事くらい甘んじて受けますよ」


「……ありがとな」


私の言葉に、柔らかく笑った彼。


今日は、いつもと違う表情ばかりを見せてもらっている気がする。




この話しはいったん終わりだというかのように、彼は食事を再開してしまった。


私も残りを食べてしまわなくては。


お弁当を残さないように、彼に続いて、私も食事を再開した。
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